最新エコ住宅情報 ② ~ Green Home Tour 2014~
エコ住宅の最先端を行くシアトル市内で行なわれた、最新のエコ住宅を実際に見て回れる「Northwest Green Home Tour」の第②段をお届けいたします。
前回の Seward Park からすぐ近くの湖、レイクワシントン沿いの高級住宅地の一角にある 1938 年建設のチューダー様式の家が最新のエコ住宅にリフォームされました。
この家をリフォームするに当たっての目標は、環境に優しい建物の認定をあらゆる方面から得る住宅にする事でした。最新のエコ住宅の認定を受けるのは、細部に渡るエコに特化したデザインや機能性、廃材の処理もさることながら住む人にも環境にも優しい住環境の整備など、通常のリフォームでもとても難しい事です。ですが「他の誰もやっていないプロジェクト」は、このリフォームに携わった職人の大きなモチベーションとなりました。その甲斐もあって、なんとこの住宅はワシントン州の建築家などから成る協会 Built Green の最高ランクである 5 スター、また住宅の省エネ度を測る HERS Index では 53 点を獲得し(アメリカの中古住宅平均は 130 点、点数が低いほど省エネ度が高い)、家電は全て Energy Star 認定製品、配管は環境庁の認定する Water-Sense 認定の製品を使用しています。
更に、この家を解体した際に出た廃材は新しい家の建築に再利用され、リフォームで出たゴミの処理にまでも気を怠らない、まさに本当の意味のエコを追求した住宅となっています。
例えばパティオデッキ、外装のサイディングとトリムは「全て」、再利用されたシダーサイディングやシダーポスト、廃品回収されたウィンドウトリムを再利用。シダーポストは、古くなった STOP サインのポストを再利用しているそう。交差点で見かける STOP サインも、古くなって捨てられるのではなく住宅の一部となって新しい命を吹き込まれました。
内装に使われた木材は「全て」、また天井のフレーミングやカスタムキャビネットも元の家に使われていたダグラスファーを再利用しています。このリフォームには新しい木材を使用していないので、森林の保護にも大きく貢献しています。
日本は木材に自然に付いている色の違いや染みなどを見た目が悪いと毛嫌いする傾向がありますが、これを個性や魅力と捉え、あえて目に付くところに使用しているのもこの住宅の特徴ではないでしょうか?
足元のコンクリートやパティオのレンガも元々の家に使われていた廃材を再利用しています。
エコ商品が巷に溢れる時代となり、社会の意識がエコに向いてきたのは嬉しい限りですが、エコの流行に乗っかっているだけの企業も沢山あります。本当のエコとは、使い捨て精神を止め今ある資源を保護し大切に共有していく事です。そいうった意味でこの住宅は真のエコ住宅と言えますね。
廃材を使用したアンティーク感とモダンなデザインの融合は外観だけではなく住宅内部にも散りばめられていました。
学校などで使われた古いロッカーをペイントし直して収納に使うアイデアは最近とてもよく見かけます。
ディスプレーされていた家具も廃材から作られています。
この椅子に使われているバネは車に使われていたものだそう。
新築はもはやエコ住宅である事が当たり前となっていますが、築 76 年という古い住宅でも、リフォームで新築以上のエコ住宅に変貌を遂げる事が可能だと示してくれた例でした。
この住宅を更に詳しく見たい方は こちら からご覧になれます。
今年の夏は沢山の最新エコ住宅があるシアトルへ足を運んでみませんか?
7~8 月にはお隣オレゴン州で Street Of Dreams も開催されます。
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