最新エコ住宅情報 ① ~Green Home Tour 2014~
この週末シアトルでは、環境に優しい住宅見学会「Northwest Green Home Tour」が開催されました。エコ住宅の最先端を行くシアトルから、最新エコ住宅情報をレポートいたします。
まずはシアトル市南部の閑静な住宅街 Seward Park エリアに位置する、1952 年に建てられたレンガの家。この家に住む建築デザイナーがこの家を中古で購入した時は、長い間放置され悪臭の漂う家でした。そんなかわいそうな家は今回のリモデルで環境に優しい最新のエコ住宅へと見事に変貌を遂げました。
中に入ってまず目に付いたのがこの丸い小窓。ますで潜水艦の窓から外を眺めているような気分になります。
住宅の断熱性を高めるため元の壁を厚くしたそう。弊社が日本へ出荷している遮熱材も使用されていました。
この家に住む子供はアレルギーがあるので、室内の空気をきれいに保つのは必至条件です。有機物質を含まないペンキの使用はもちろん、従来のアメリカの住宅では当たり前のセントラルヒーティングをではなく、カビや雑菌を取り除いてくれる三菱製のエアコンを使用していました。セントラルヒーティングを廃止する事で、普段なかなか掃除の出来ない通気口から温風と一緒に送り出されてくるホコリやアレルゲンが住宅中に広まるのを防ぎ、電気代もセーブする事ができます。カーペットはフローリングより足元が暖かく感じますが、アレルギー持ちには歓迎されません。その代わりに使用している床暖房は足元から室内を暖めてくれるので、温風で部屋を暖める時には逃げてしまう熱をセーブでき、ヒーターの設定温度を下げても足元から感じられる体感温度のお陰で寒さも感じないので省エネにはもってこい。各部屋に設置された壁付けヒーターと暖炉併用で寒さ対策はばっちりですね。
様々な分野でエコが進む中、ハード面である住宅が省エネで環境に優しいことはもはや当たり前で、そこに住む人や家具、ライフスタイルなどのソフト面もエコ化がどんどん進んでいます。この家も、二重ガラスサッシや白いシングル屋根材の使用、窓を大きくして自然光を取り込んだり室内の空気循環の促進など、エコなのはハード面だけではありません。リモデル時に解体したドアや合板、キャビネットは廃棄せずに再利用しています。いまだ、なんでも使い捨てのライフスタイルが蔓延する中、廃品再利用を住宅のあらゆる部分に使用している点も魅力的でした。
庭に放置されていたコーナーサポートはペンキを塗り直してキッチンカウンターの天井にのポットラックとして再利用されています。
またテレビの下のメディア棚は廃品ボートのハッチカバーを再利用して作られています。最新のフラットスクリーンと古い木のアンティーク感、古いトランクを再利用した収納ケースがとてもいい味を出していますね。
キッチンキャビネットは 1950 年代に作られたメタルキャビネットを再利用、レトロな雰囲気のコンロももちろん中古品です。
乗馬用品を再利用したトイレットペーパーホルダー、馬の蹄鉄はコートラックに変化!
地下はまだリモデル中でしたが、階段を下りた所に備え付けられている収納は消防署で使われていた消防士のロッカーを使用しているそう。
水道管は根元からそれぞれ分かれているのでメンテナンスや修理もピンポイントで行なえます。
家のあちこちに散りばめられた個性や思い出の詰まった品々は来客時にも話題になる事間違いなしですね。
次の見学地はレイクワシントン沿いの高級住宅地へと続きます。